掬い上げるもの

日々の中から掬い上げたさまざまな思いを綴る、俳句&エッセイ。 一話があっという間の短さです。 どこから読んでも、好きなとこだけついばんでもよし。 よろしければ、お茶やコーヒー片手に気楽にお付き合いくださいませ。 マイナスイオンを深呼吸したい方も、ぜひお立ち寄りください♪

2023-02-18から1日間の記事一覧

川面と記憶

遠ざかるものみなひかる秋の川 「秋の川」は、秋の季語。 澄んだ秋空や紅葉を映して冷やかに流れる。 俳句の上では、「秋」は立秋(2023年は8月8日)〜立冬(2023年は11月8日)の前日まで。 私の母の生家のすぐ側には、大きな川が流れている。 水郷と呼ばれ…

耳で見る闇

虫の音や闇に銀の弧交しつつ 「虫の音」は、「虫」の傍題。俳句において「虫」と言えば秋に鳴く虫のことで、特に秋の草むらに集《すだ》く虫だけを指す。「虫時雨」は、虫の鳴き交わす声を時雨に例えた言葉。秋の季語。 夏の暮れ。昼間はまだ暑くても、朝夕…

夏の果

共に陽を捥《も》いで別れる夏の果 「夏の果《はて》」は、夏の終わり。晩夏になると朝晩は涼しくなり、夏が終わりに近づいていることを感じる。夏の季語。 八月の終わりは、独特の切なさがある。 まだ暑さはあるものの、夏も残り少ない気配が強く漂うように…